1尺は何Cm?曲尺30.3Cmと鯨尺37.9Cmの決定的な違い

1尺は何Cm?曲尺30.3Cmと鯨尺37.9Cmの決定的な違い

1尺は何Cm?曲尺30.3Cmと鯨尺37.9Cmの決定的な違いとはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

「1尺は何cmか」という問いに対する正確な答えは、用途によって二通り存在します。大工道具や建築、一般的な日常会話で用いられる曲尺(かねじゃく)基準であれば、1尺は約30.303cmです。これは明治24年(1891年)の度量衡法によって「10/33メートル」と厳密に定義されました。一方、着物や浴衣など和服の仕立てに用いられる鯨尺(くじらじゃく)基準では、1尺は約37.878cmとなります。

鯨尺は、曲尺のちょうど1.25倍(1尺2寸5分)に相当します。同じ名前でありながら約7.6cmもの差が存在する理由は、江戸時代の流通経済と布地裁断の合理化にありました。鯨尺の語源は、かつてクジラのヒゲを使って弾力性のあるしなやかな物差しを作っていたことに由来します。伸縮性のある反物を測る際、金属製や木製の硬い曲尺で引っ張りながら測ると布が縮み、仕立てた際に狂いが生じやすかったため、布地専用の長尺な物差しが独自に発達しました。

江戸幕府は享保年間に度量衡の統一を図りましたが、呉服商や仕立て職人の間ですでに定着していた鯨尺を廃止することはできず、建築や家具用の「曲尺」と、呉服・反物用の「鯨尺」の2本立てを公式に認めた経緯があります。現在でも、和裁教室や呉服店で「身丈4尺2寸」などと表記されている場合は、曲尺ではなく鯨尺で計算しなければサイズが約2割も小さくなってしまうため、細心の注意が必要です。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。