札幌・すすきのの繁華街。ネオンが眩しく輝く大通りから一本路地に入ると、築数十年の味わい深い木造建築が異彩を放っている。「ウタリ」という店名は、アイヌ語で「仲間」や「同胞」を意味する言葉だ。その名の通り、創業以来、地元北海道の飲兵衛から遠方からの旅人まで、あらゆる人々を区別なく温かく迎え入れてきた。
店内に一歩足を踏み入れれば、中央に鎮座する大きな囲炉裏が目に飛び込んでくる。使い込まれたカウンター席に腰を下ろすと、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。昭和から令和、そして2026年に至るまで、変わらぬ佇まいを守り続ける姿は、目まぐるしく変化する都市・札幌における貴重な文化財とも言える存在だ。