裾を折る行為は、元来作業着としての機能的な理由から始まった。過酷な現場で働く労働者が、泥汚れを防ぎ裾の長さを調整するための工夫だ。しかし、この日常的な動作をファッションの象徴へと引き上げた人物が存在する。映画『理由なき反抗』で主演を務めたジェームズ・ディーンだ。
彼が劇中で魅せた白Tシャツにリーバイスの501を合わせ、無造作に裾を折ったスタイルは、当時の若者文化に強烈な衝撃を与えた。型にはまったドレスコードへの反逆であり、自由の象徴だったのだ。今やメンズファッションの基本となったこの技法は、半世紀以上の時を超えてなお、男らしさと軽快さを同時に表現する手段として機能している。