酒場詩人・吉田類がふらりと立ち寄りそうな昭和の残照漂う酒房が、駅の南口側には今なお色濃く残る。コの字カウンター越しに交わされる女将との軽妙な会話、使い込まれた短冊メニュー、キンミヤ焼酎で割る下町ハイボール。激変する外食産業の荒波に揉まれながらも、半世紀以上スタイルを変えずに愛され続ける大衆酒場には、人間味という名の最高の調味料が染み渡っている。
そのすぐ隣で、若い世代を熱狂させているのが進化系「ネオ大衆酒場」の台頭だ。レトロなグラスに注がれるフルーツサワー、スパイスを効かせたエスニックなアテ、無機質なコンクリート打ちっぱなしの内装。古き良き伝統と現代の感性が衝突し、火花を散らすこのハイブリッドな混沌こそ、現在の立川が持つ最大の引力だ。