動画配信プラットフォームで本作が検索に引っかからない現象について、ネット上では長年「配信停止の真相」と銘打たれた様々な都市伝説が語られてきました。なかでも頻繁に囁かれるのが、当時ナレーションを務めたベッキー氏の過去の騒動に起因しているという説です。しかし、映画配給の権利関係や映像アーカイブの実情を精査すると、この推測は事実無根であることが判明します。
決定的な証拠として、本作と同じ2003年に公開された長編本編『七夜の願い星 ジラーチ』は、Amazonプライム・ビデオやNetflixなどの大手動画配信サービスにおいて、夏のポケモン映画特集などで定期的に公式配信されています。もし出演者側の契約上の不都合であれば、ジラーチ本編を含む同年の興行パッケージ全体に制限がかかるはずです。しかし、制限を受けているのは同時上映された短編のみという事実が存在します。
実態は、ポケモン映画 同時上映 短編シリーズ全体が抱える構造的な契約問題にあります。2000年代初頭の短編作品は、劇場公開時の興行連動や音楽CDの販売促進を主目的として制作されていました。作中には多数のゲストボーカルや声優陣、独自の振付著作権、さらにはタイアップ楽曲の複雑な原盤権が絡み合っています。これらを2020年代以降の定額制ストリーミング向けに再契約・権利処理する作業は膨大なコストを伴うため、プラットフォーム側・権利元側の双方にとって費用対効果の面で見送られ続けているのが冷徹な実情です。