誤解を解いた上で注目すべきは、ブルースターが誇る本来の花言葉の美しさです。代表的な花言葉である「幸福な愛」「信じあう心」は、ヨーロッパで古くから語り継がれてきた童謡マザー・グースに由来する結婚の習わし「サムシング・フォー(Something Four)」と不可分に結びついています。
サムシング・フォーとは、花嫁が挙式当日に「古いもの(Something Old)」「新しいもの(Something New)」「借りたもの(Something Borrowed)」「青いもの(Something Blue)」の4つを身につけると、生涯にわたって豊かな幸福に恵まれるというヨーロッパの民間伝承です。
この中で「青いもの」は、キリスト教美術において聖母マリアの純潔と忠誠を象徴する聖なるマントの色「マリアンブルー」に直結しています。人目につかないブーケの内側やガーターベルトに青を忍ばせることで、「生涯にわたり互いに誠実を誓い、信じあう心を持ち続ける」という固い意志を表しました。
自然界において、純粋な青い色素を持つ花は全体の1割未満と極めて希少です。その中で、5枚の花びらが美しい星形を描き、かつ優しく柔らかな青を宿すブルースターは、まさに花嫁の胸元を飾るサムシングブルーの具現化として、20世紀以降のブライダルシーンで不動の地位を確立しました。「幸福な愛」という言葉は、何世代にもわたって花嫁たちを見守り続けてきた歴史そのものから授けられた勲章と言えます。