抗争が沈静化した一方で、昭和から平成にかけて闇ルートで流通した武器の「残り滓」が、今なお不意に地表に現れるケースが存在します。その典型例として社会に動揺を与えたのが、北九州市門司区で起きた事案です。
報道各社および門司警察署の発表によると、北九州市門司区清見3丁目のマンション敷地内において、草刈り作業を行っていた業者が茂みの中から不審な金属製の塊を発見。「手榴弾を見つけた」と警察に通報したことで現場は一時騒然となりました。県警は即座に現場周辺の道路を封鎖し、爆発の危険性を考慮して近隣住民を緊急避難させる厳戒態勢を敷きました。調査の結果、発見されたのは過去に遺棄されたとみられる旧式の爆発物でした。
こうした報道が流れるたびに、SNSやネット掲示板(5ちゃんねる、知恵袋など)では「やっぱり修羅の国福岡は健在だった」「草刈りしてて手榴弾が出てくる街なんて日本でここだけ」といった福岡治安ネットの反応が瞬く間に拡散されます。しかし、現地の生活者の肌感覚はネットの狂騒とは大きく異なります。北九州市在住の40代自営業男性は、取材に対して次のように複雑な心中を語りました。
「ネットでネタにされるのは正直悔しいし、今の北九州は本当に静かで暮らしやすい街です。ただ、マンションの敷地や古民家の解体現場から古い手榴弾が見つかったというニュースを見ると、過去に暴力団がそこら中に武器を隠していたという歴史そのものは消せないんだな、と思い知らされます。危険が去ったとはいえ、昔埋められたモノがどこかに眠っているかもしれないという薄気味悪さは残っていますね」
市民の実態として、日常的に暴力団の影に脅えることは皆無となったものの、「過去の遺棄物との偶発的な遭遇リスク」という、かつての激戦地特有の課題を完全にゼロにすることはできていません。これこそが、ネットミームとしての「修羅の国福岡の真相」と、リアルな市民感情の交差点に存在する事実です。