筆者が2026年現在の旧校舎群を現地取材すると、平日の午前中は熱心な建築ファンやシニア層の旅行者が静かに廊下の陰影をカメラに収め、週末になるとアニメファンや家族連れが談笑する穏やかな光景が広がっていました。SNSや各種レビューコミュニティを精査しても、訪問者の満足度は極めて高い水準を維持しています。
「床の軋む音や、ニスが塗られた階段の手すりの感触にノスタルジーを感じる」「アニメを全く知らずに建築目的で訪れたが、細部まで計算されたヴォーリズの採光設計に息を呑んだ」といった建築愛好家からの賞賛の声が目立ちます。また、アニメ放送開始から十数年が経過した今もなお、「部室の黒板にびっしりと書き込まれた世界中のファンからの感謝の言葉に圧倒された。ここは単なるロケ地ではなく、人々の温かい想いが保存されたシェルターのような場所だ」という熱い感想が途絶えることはありません。
一方で、現場を訪れて初めて気づく現実的な注意点も浮き彫りになっています。その筆頭が「室内の温湿度環境」です。歴史的建築物のオリジナルの姿を尊重して耐震改修されたため、全館空調は導入されていません。真夏は館内が非常に蒸し暑く、真冬の湖北特有の冷え込みでは板張りの床から足元が強烈に冷え込みます。現地を訪れる際は、スリッパの持参や体温調節がしやすい服装の準備が必須と言えます。