戦国時代の甲冑はなぜ奇抜?実戦の重さ・防弾性と衝撃の値段を徹底解説

戦国時代の甲冑はなぜ奇抜?実戦の重さ・防弾性と衝撃の値段を徹底解説

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平安時代から鎌倉時代にかけて主流だった「大鎧(おおよろい)」は、騎射戦を想定した重厚な箱型構造でした。しかし、戦国時代に入ると戦闘形態が足軽を中心とする槍や弓、鉄砲の大集団戦へと根本から変化します。俊敏な徒歩戦に対応すべく生まれたのが、当時の最先端防具である当世具足(とうせいぐそく)です。「当世」とは「現代風・最新式」を意味し、従来の鎧に比べて軽量化と防護面積の拡大が同時に図られました。

この実用主義の極致とともに花開いたのが、一度見たら忘れられない変わり兜(かわりかぶと)の文化です。一ノ谷の崖を模したもの、巨大な百足(ムカデ)の前立、巨大な兎の耳など、奇想天外な意匠が次々と生み出されました。これらは単なる奇をてらったファッションではありません。硝煙と砂塵が立ち込める過酷な戦場において、「我がここにあり」と味方に位置を知らせて部隊を統率し、首級を挙げた際の論功行賞で自己を証明するための極めて合理的な軍事標識だったのです。

さらに、異形のモチーフには神仏の加護を祈る信仰心や、決して後退しない害虫(百足=前進しかしない「勝ち虫」)にあやかる心理戦の意図も込められていました。実戦機能の追求と命懸けの自己プロデュースが融合した結果、世界でも類を見ない造形美が誕生しました。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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