高度経済成長期から平成初期にかけて、日本の戸建て住宅の境界を仕切る植栽として爆発的な人気を博したのがカイズカイブキだ。煙害や潮風に耐え、病害虫にも強いその性質から、防犯とプライバシー保護を兼ね備えた生垣の主力として重宝されてきた歴史がある。
現在、当時の木々は樹齢数十年を迎え、幹が太くなり樹高も肥大化している。隣地境界を越えそうな枝を慌てて切り落とし、取り返しのつかない枯れ込みを招くケースが後を絶たない。都市部を中心に住宅の密集化が進むなか、生垣の維持管理は景観問題から近隣トラブルへと直結するシビアな課題に変貌している。