ステージの上で鍵盤に向かう彼女の姿には、今なお新たな発見がある。ビルボードライブ東京で行われる親密なクラブギグでは、名うてのプレイヤーたちとともに、スタジオ音源をさらに解体・再構築したスリリングなセッションが繰り広げられる。
2026年現在の彼女のライヴパフォーマンスは、かつてのような切迫した哀愁だけでなく、人生の機微を受け入れた包容力と豊かなダイナミズムを帯びている。客席のグラスの氷が溶ける音さえもアレンジの一部に取り込むような親密なアンサンブル。観客はただ座って聴くだけでなく、自分自身の過ぎ去った恋や現在の思いをステージに投影し、静かに涙を拭う。