館の誇る最大のハイライトといえば、間違いなく日本屈指の質と量を誇る浮世絵コレクションだろう。葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿らの代表作はもちろん、上村松園をはじめとする近現代日本画の巨匠たちの名品が、息をのむような精度で配置されている。
特筆すべきは、和紙の繊維や墨の濃淡、掠れの一筋にまで宿る色彩の鮮やかさだ。2026年の特別展では、江戸期の木版技術が到達した極致が、現代的な視点によるストーリーテリングとともに多角的に提示されている。海外からの旅行者が作品の前で言葉を失い、静かに立ち尽くす光景が館内のあちこちで見られるのも、極めて自然な出来事と言える。