敷地内に一歩入ると、庭園に敷き詰められた鮮やかなグラフィックタイルと、奇妙な色に塗装された川石が目に飛び込んでくる。池には鮮やかな錦鯉が泳ぎ、現実の日本庭園が狂気を孕んだ絵画の中に呑み込まれたかのような錯覚を覚える。
見落としてはならないのが、かつて米グラノの保管場所だった「倉」の内部にそびえ立つ全高約5メートルの円筒状タワーだ。タワーの床面と天井には鏡が仕込まれ、壁面一面に貼られた無数の滝のポストカードが無限の垂直空間となって上下に伸びていく。足元がすくむような高揚感と浮遊感は、この場所でしか味わえない特別な体験だ。さらに、トイレ内部に仕掛けられた全面鏡張りのインスタレーションなど、日常の不意を突く演出が随所に潜んでいる。