かつての発信者情報開示請求は、コンテンツプロバイダに対する仮処分申請と、通信会社に対する通常訴訟という2回の裁判手続きを別々に進める必要があり、特定までに8ヶ月〜1年以上の歳月と多額の費用を要していました。しかし、プロバイダ責任制限法の改正によって新設された発信者情報開示命令事件の手続きにより、状況は改善されています。
この新制度では、1つの裁判手続きの中でコンテンツプロバイダへのIPアドレス開示とアクセスプロバイダへの契約者情報開示を一体的に審理できるようになりました。これにより、特定までの期間が最短3〜6ヶ月程度に短縮され、手続きが一本化されたことで着手金などの総額が以前より抑えられるケースが増えています。
ただし、事案の複雑さや相手方プロバイダの争い方によっては従来の訴訟手続きを選択せざるを得ない場合もあるため、どちらのルートが費用対効果に優れているか、専門弁護士と綿密に戦略を練る必要があります。