関係者への取材から浮かび上がったのは、話題作の舞台裏で松也が見せる徹底したプロ意識だ。『半沢直樹』の撮影現場では、歌舞伎独特の台詞回しを徹底的に解体し、現代劇のスピード感に同期させるため何十通りものトーンを試行錯誤したという。『モアナ』のアフレコ現場でも、声の抑揚だけでキャラクターの巨躯と愛嬌を伝えるべく、全身汗だくになりながらテイクを重ねた。
舞台関係者はこう明かす。「松也さんは『伝統を守る最善の方法は、外の世界で結果を出し、新しい客を劇場へ連れてくることだ』と常に語っています」。2026年を迎えた現在、彼は古典と現代劇を大胆に融合させた新たな舞台プロジェクトや、映像界でのさらなる大型企画を着々と進行させている。異端児と呼ばれた男の視線は、すでに次の時代を射抜いている。