「テープを巻いたら余計に痛くなった」「ジンジンして眠れなくなった」と訴える患者の背景には、共通する3つの誤った使い方が存在します。
1つ目の理由は、過度な締め付けによる局所のうっ血と血流不全です。「動かさないように強く固定しなければ」と思い込むあまり、包帯のようにキツく巻いてしまうケースが後を絶ちません。指先には毛細血管と末梢神経が密集しており、強い圧迫は静脈血の戻りを阻害します。結果として患部内圧が上昇し、神経を刺激して耐え難い激痛を引き起こすのです。
2つ目の理由は、就寝時における長時間の密閉と固定です。夜間は副交感神経が優位になり、血流が変化する時間帯です。日中と同じ感覚でテープを巻いたまま眠ると、無意識のうちに指が圧迫され、起床時に強いこわばりや浮腫(むくみ)が生じるリスクが高まります。さらに、湿気がこもることで皮膚がふやけ、表皮剥離やかぶれを誘発します。医師の特別な指示がない限り、就寝時はテープを外し、皮膚と血管を休ませることが推奨されます。
3つ目の理由は、第二関節(PIP関節)まで巻き込んで固定してしまうミスです。第一関節の痛みをかばおうとして広い範囲をガチガチに固めると、隣接する第二関節や腱に余計な負荷がかかります。これによって手全体の連動性が失われ、親指の付け根(母指CM関節症)や腱鞘炎を併発する代償性のトラブルが引き起こされる現場報告も少なくありません。