良かれと思って行っている日常の洗濯習慣が、皮肉にもタオルの性能を破壊し、生乾き臭を促進させているケースが多々あります。ネット上でまことしやかに語られる情報のなかでも、特に注意すべき盲点が2点存在します。
第1の盲点は、「柔軟剤の多用」です。タオルの肌触りを柔らかく保ち、良い香りをつけたいという心理から柔軟剤を規定量以上投入する人がいますが、これはキッチンタオルにとって致命傷となります。柔軟剤の主成分である陽イオン界面活性剤は、繊維の表面を油分でコーティングすることで滑らかさを生み出します。その結果、水を弾く疎水性の膜が形成され、本来の吸水性が著しく低下します。さらに油膜は雑菌にとって格好のエサとなり、蓄積した皮脂汚れとともに頑固な生乾き臭の温床を作り出してしまうのです。
第2の誤解は、「マイクロファイバーは万能である」という過信です。合成繊維(ポリエステル・ナイロン)を超極細に加工したマイクロファイバーは、抜群の初期吸水性と油汚れ除去能力を誇ります。しかし、繊維の断面が鋭利なエッジ状になっているため、高級な漆器やデリケートなコーティングが施された洋食器を強くこすると、微細なスクラッチ傷をつける危険性があります。また熱に弱いため、煮沸消毒を行うと繊維が溶けて吸水構造が崩壊してしまう点も理解しておく必要があります。