Dragon Ash(ドラゴンアッシュ)がバンドロゴやアイコンとして掲げる「百合の紋章」は、西洋紋章学における「フルール・ド・リス(Fleur-de-lis)」をモチーフにしています。古くはフランス王家の紋章やキリスト教の聖母マリアを象徴する神聖な意匠であり、「純潔」「高貴」「誇り」を意味するシンボルです。
1997年のメジャーデビュー以降、パンク、ヒップホップ、ラテン、ドラムンベースなど多彩な音楽性を呑み込みながら進化を遂げたDragon Ashにおいて、Kj(降谷建志)はバンドの視覚的アイデンティティとしてこのフルール・ド・リスを採用しました。そこには、路地裏のストリートミュージックであるヒップホップやラウドロックに、ある種の「誇り高き気品」と「揺るぎない結束」を同居させるという明確な美意識が存在していました。
1999年11月には、衆芸社より書籍『百合の紋章ドラゴンアッシュ』(三人囃子 著、Rockadom叢書)が出版されるなど、社会現象を巻き起こした『Viva La Revolution』期にはすでに「百合の紋章=Dragon Ashの代名詞」としてメディアやファンの間で完全に定着していました。単なる記号にとどまらず、彼らの生き様そのものを投影するシンボルマークとして機能し始めたのです。