「生のサラダ用トマトを食べると喉が痒くなるのに、パスタソースや煮込み料理なら平気」という声を耳にしたことがある方も多いはずです。これにはタンパク質の熱変性が関係しています。
花粉食物アレルギー症候群の主原因となる「プロフィリン」や「PR-10」といったタンパク質は、熱や胃酸に対して非常に不安定な性質を持っています。そのため、しっかり加熱調理を行うことでタンパク質の立体構造が破壊され、IgE抗体が結合できなくなる結果、トマトアレルギーでも加熱された料理であれば無症状で食べられるケースが多々あります。
ただし、加工品ごとにアレルゲンの残存リスクが異なる点には細心の注意が必要です。
・トマトジュースのアレルギー反応:
市販のトマトジュースで起きるアレルギー反応には個人差があります。製造工程で熱処理が施されているものの、加熱時間が短時間であったり、濃縮還元処理のみであったりする場合、アレルゲン活性が完全に失われていないことがあります。生のトマトで強い痒みが出る人は、ジュースの摂取でも違和感が出ることがあるため注意してください。
・トマトケチャップ・トマトピューレ・缶詰:
長時間の煮沸加熱工程を経ているケチャップや煮込み用トマト缶は、アレルゲン性が著しく低下しています。ただし、稀に熱に強いアレルゲン(LTP=非特異的脂質転送タンパク質など)に感作されている患者の場合、加熱処理済みであっても重篤なアレルギー反応を起こすことがあります。