王道の少年アニメにおいて、主人公とライバルの一騎打ちは最大のハイライトだ。しかし、ルフィとカタクリの戦いは単なる力比べを超えた「男と男の精神の激突」であった。自分を偽ることをやめ、素顔を晒して拳を交えるカタクリ。その変化を杉田は、声の質感の微妙なグラデーションによって表現し切った。
「お前がいつか、ビッグ・マムを倒しに来るのか?」――敗北の刹那、カタクリがルフィに投げかけた問いかけには、敵への敬意と未来への託しが込められていた。この名シーンにおける杉田の絞り出すような低音は、アニメ史に残る感動的な瞬間として今なお語り継がれている。