多くのファンが抱く「公式戦との違いまとめ」を知ることで、観戦の解像度は劇的に上がります。親善試合(国際親善試合)は、大会のトロフィーを争う公式トーナメントとは異なる独自のレギュレーションと目的を持っています。
第一の目的は戦術の浸透とリスクマネジメントです。公式戦では結果がすべてであるため、指揮官は安全策や実績のある選手起用に傾倒しがちです。対照的に親善試合では、普段試せない新フォーメーションや、セットプレーのサインプレー、劣勢時を想定したパワープレイの確認など、あえてリスクを冒す実験が許されます。サッカー親善試合目的と理由の根底には、本番での不測の事態に耐えうる「組織の引き出し」を増やす狙いがあります。
そして見逃せないのが、FIFAランキング反映ルールとの兼ね合いです。親善試合だからといってポイントが無関係なわけではありません。2018年以降、FIFAランキングは「SUMアルゴリズム」と呼ばれるイロレーティング方式に改定され、試合の重要度(係数I)を掛け合わせてポイントが計算されます。
親善試合の重要度係数は「10」と公式戦に比べて低いものの、FIFAランキングの数理モデルでは、自国より下位のチームに敗北または引き分けた場合、大きな減点ペナルティを受けます。ワールドカップの組み合わせ抽選会では、FIFAランキング順にポット分け(シード順)が決定されるため、親善試合での不用意な失点は、本大会で死の組に放り込まれる引き金になりかねません。親善試合であっても「絶対に負けられない理由」がここにあります。