「行間を1.0行(1行)に設定したのに、余白がまったく縮まらない」という声は、知恵袋やSNSなどのオフィスソフト相談でも毎年上位に挙がる定番の悩みです。Wordで行間が異常に広くなってしまう現象には、主に3つの明確なシステム的要因が存在します。
第一の要因は、Wordの基本仕様である「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」機能です。Wordは初期設定でノートの罫線のような「行グリッド線」を持っており、文字の高さがそのグリッド線をわずかでもオーバーすると、自動的に2行分のスペースを丸ごと占有してしまいます。たとえば、標準の10.5ptからフォントサイズを12ptや14ptへ拡大した瞬間、行間が突然2倍近くに跳ね上がるのはこの仕様が原因です。
第二の要因は、段落ごとに自動挿入される「段落前後のスペース」です。現代のWord(Microsoft 365含む)では、視認性を保つ目的で段落の後に自動で余白(0.5行〜8pt程度)が設定されているケースが多く、これが「通常の改行」のたびに不自然な空白を生み出しています。
第三の要因は、行間指定のモード選択の誤りです。「1行」や「倍数」などの相対指定を選んでいると、フォントに含まれる余白情報(フォントメトリクス)がそのまま反映されるため、物理的に隙間をゼロに近づけることができません。これらの仕組みを理解することが、行間トラブル解消の第一歩となります。