中村投手の投球スタイルにおける最大の武器は、独特のクロスステップから繰り出される多彩な球種と、打者のタイミングを外す投球術にあります。
直球の最速は140キロ台後半をマークしますが、数字以上に打者が差し込まれる要因は、左腕が体積の陰に隠れてギリギリまで見えないフォームの「ディセプション(隠蔽性)」にあります。これに加え、打者の手元で鋭く曲がり落ちるスライダー、チェンジアップ、ツーシーム、緩やかなカーブを巧みに織り交ぜることで、左右を問わず的を絞らせません。
しかし、プロ入り後のキャリアは順風満帆な時期ばかりではありませんでした。過去には肘や肩の違和感、コンディション不良といった怪我に悩まされ、本来の腕の振りを失いかけたシーズンも経験しています。そうした苦境にあっても、トレーナー陣と二人三脚で体幹の連動性を見直し、故障リスクを低減させながらキレを取り戻すフォーム改良を完遂。怪我を糧にして投球の完成度を一段階引き上げた粘り強さこそ、彼の真骨頂です。