執行猶予期間中であった2016年11月28日、再び日本中を騒然とさせる事件が起こります。ASKA本人が「盗聴されている」と自ら110番通報したことをきっかけに警察が自宅へ駆けつけ、任意同行のうえで尿検査が実施されました。その結果、警視庁は「覚醒剤の陽性反応が出た」として覚醒剤取締法違反(使用)の容疑でASKAを再逮捕したのです。
マスコミ各社は「執行猶予中の再犯で実刑確実」と一斉に速報を打ち、テレビ局がASKAの乗ったタクシーを取り囲んでチェッカーを破壊するなど、報道合戦は過熱を極めました。しかし、逮捕から21日後の同年12月19日、東京地検は「嫌疑不十分による不起訴処分」を発表し、ASKAは即日釈放されました。
不起訴となった理由は、ASKAが警察の尿検査に対して「あらかじめ用意していたお茶(ギムネマ茶など)をスポイトで容器に入れた」と主張したためです。科学捜査研究所の鑑定で陽性反応が出た液体について、採取された量が極めて微量だったことから「それが本人の尿である」という生物学的証明が法的に不可能となり、立証を断念せざるを得なくなったという、日本の司法史上極めて異例の結末を迎えました。