ラボ産コーヒーの台頭は、途上国の生産農家から仕事を奪うだけではない。生き残りをかけた一部の先進的な農家は、あえてその土地独自の「テロワール(土壌や気候の個性)」を極限まで高めた超高品質な豆の生産へとシフトしている。また、バイオ企業が特定の希少品種の細胞を提供する農家に対し、特許使用料のような形でロイヤリティを支払う新しい経済モデルも誕生している。
単に安く買い叩く関係を是正する従来のフェアトレードの枠組みを超え、自然の多様性を守りながらテクノロジーと共存していくための、新たなエコシステムが今まさに模索されているのだ。