妊娠高血圧症候群における胎児への直接的な影響として最も頻度が高いのが、胎児発育不全の原因と症状です。胎盤の血流が悪化すると、お腹の赤ちゃんは生存を最優先にするため、脳などの重要臓器へ優先的に血流を配分し、皮下脂肪や肝臓への血流を抑えます。その結果、推定体重の増加が停滞し、超音波検査で「週数に対して身体が小さい」と診断されます。
多くの親が最も懸念する妊娠高血圧症候群と脳性麻痺の確率や発達障害リスクについては、重症度と出生週数に応じた冷静な理解が必要です。医療統計によると、一般的な脳性麻痺の発症率は出生1,000人あたり約2人(0.2%)程度ですが、超早産(在胎28週未満)や超低出生体重児(出生体重1,000g未満)となった場合、脳室内出血や脳室周囲白質軟化症(PVL)のリスクが上昇し、発症率は数%〜10%前後に上昇します。
しかし、近年の新生児医療では、脳低温療法や人工呼吸器管理の進歩、早期からの神経学的リハビリテーションの導入により、重篤な障害を残す割合は年々低下しています。また、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害についても、遺伝的要因や環境要因が複雑に絡み合っており、「妊娠高血圧症候群だったこと」単体を発症の決定打と断定することは医学的に不適切とされています。