米倉涼子の女優人生における最大の転換点であり、艶やかな演技が高く評価されたのがテレビ朝日系の松本清張ドラマシリーズです。なかでも2004年に放送された『黒革の手帖』で見せた悪女・原口元子の艶技は、日本中に大きな衝撃を与えました。
政財界の重鎮や大物政治家を手玉に取る銀座のママを演じた本作では、豪華な着物姿から一転、ベッド上で繰り広げられる駆け引きや、仲村トオル演じる政治家秘書・安島富夫との熱烈なキスシーンが視聴者を魅了しました。露骨な肉体描写に頼ることなく、吐息や視線の交差だけで男女の情念を表現したベッドシーンは、ドラマ史に残る名場面として語り継がれています。
続く『けものみち』(2006年)、『わるいやつら』(2007年)でも、佐藤浩市や上川隆也といった実力派俳優を相手役に、愛憎入り乱れる濃厚な絡みを熱演。悪女の覚悟と艶やかさを見事に演じ切り、「大人の女性の美しさ」を確立しました。