数あるラインナップの中で、専門家が最も「慎重に選ぶべき」と警鐘を鳴らすのが「8畳用」と「10畳用」エアコンです。
多くの主要メーカーにおいて、普及モデルのエアコン6畳用と8畳用の違いを分解すると、内部のコンプレッサーや熱交換器といった心臓部のパーツは共通規格で作られています。ソフトウェアの設定やファンの制御でわずかに定格出力を変えているだけであり、実質的な冷房能力(定格2.2kWと2.5kW)の差はごくわずかです。にもかかわらず、店頭価格には1万〜3万円以上の価格差がつけられています。断熱性が確保された現代の住まいであれば、8畳の部屋に6畳用エアコンを設置しても冷暖房能力に不足を感じる場面はほとんどありません。
また、「大は小を兼ねる」と考えて過剰に大きな畳数モデルを選ぶエアコンオーバースペックのデメリットは深刻です。必要能力に対して機器が大きすぎると、設定温度に達した後にコンプレッサーの発停(ON/OFF)が頻繁に繰り返される「断続運転」に陥ります。この状態は最も電力を消費するだけでなく、部屋が冷え切って送風運転に切り替わった際に熱交換器に付着した水分が蒸発する「湿度戻り(部屋の蒸し暑さ)」を招く要因になります。