なぜ好意はこれほど容易に憎悪へと反転してしまうのか。恋愛心理学の知見によれば、過度な執着は相手への理想化と表裏一体だという。自分自身の欲望や所有欲を「愛」と錯覚したとき、相手が自分の思い通りにならない現実を受け入れられなくなる。
本記事の取材に対し、日本心理学会に所属する専門家は次のように指摘する。「相手を自分の一部のように捉えてしまう状態では、認知の歪みが生じやすくなります。相手の小さな変化や拒絶を、自分の存在否定として過剰に受け止めてしまう。これが、激しい攻撃性や執着へと歪んでいく典型的なメカニズムです」。劇中で描かれる心理的変容は、決して架空のフィクションではなく、現実の人間心理の臨床データに裏打ちされたリアルな恐怖なのだ。