井川遥の名を世に決定づけた最大の転機は、2000年に選出された「アサヒビールイメージガール」での活動だ。高身長でスタイル抜群でありながら、角のない優しい眼差しと包み込むような笑顔。過度に主張しすぎないその佇まいは、空前の「癒し系グラビア」ブームの中心地となり、ポスターが街中に掲出されるやいなや問い合わせが殺到する事態となった。
当時のグラビア界や広告業界において、彼女の存在は異彩を放っていた。過激さや派手さを競い合うグラビア全盛期にあって、彼女が提示したのは「安心感」と「上品さ」という新たな価値観だった。ポスターの盗難騒ぎが全国各地で相次ぎ、ワイドショーがこぞってその現象を報じた伝説は、今なお語り継がれている。元祖・癒し系クイーンとしての確固たる地位は、この時期に築かれたのだ。