この土地の歴史を紐解くには、時計の針を大きく巻き戻す必要がある。施設が位置するのは、仙台市の北端に隣接する宮城県黒川郡大和町。かつては厚生年金事業振興団の手によって「厚生年金仙台スポーツセンター」として整備され、高度経済成長期の余暇拡大政策を象徴する箱モノの一つとして誕生した。
しかし、平成の年金改革に伴う国の資産売却方針により、存続の危機に直面する。莫大な維持費と広大な敷地。多くの民間企業が二の足を踏むなか、宮城県庁をはじめとする地元行政や地域社会は、貴重なスポーツインフラを維持すべく奔走した。民間への事業譲渡を経て「ベルサンピアみやぎ泉」へと看板を掛け替えた背景には、単なる採算性だけでは測れない、東北のスポーツ拠点を死守しようとした人々の執念が横たわっている。