寝違えの発症直後に多くの人が迷うのが、「冷やすべきか、温めるべきか」という選択です。判断基準はきわめてシンプルで、「発症からの経過時間」と「熱感の有無」によって明確に分かれます。
起床直後から痛みがピークを迎える受傷後24〜48時間の急性期は、患部で急激な炎症反応が起きています。この段階で入浴やカイロなどで温めると血流が一気に増加し、血管から発痛物質が患部に溢れ出て激痛を誘発します。患部に熱感やズキズキとした拍動痛がある場合は、氷嚢や保冷剤をタオルで包み、1回15分程度局所を冷やす(アイシング)のが鉄則です。
一方で、発症から2〜3日が経過して鋭い痛みが引き、筋肉のこわばりや重だるさが残る亜急性期・慢性期に移行してからは、入浴や蒸しタオルで温めて血行を促進し、組織の修復を促すアプローチへ切り替えます。
痛みが激しく仕事や家事に支障をきたす場合は、我慢せずにロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン等)をはじめとする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用したり、経皮吸収型のロキソニン湿布を活用するのが賢明です。痛みを放置して筋肉を過度に緊張させると二次的な筋痙攣を引き起こすため、薬で痛みの伝達物質(プロスタグランジン)を適切にブロックし、筋弛緩を図ることが回復への近道となります。