SNSやネット掲示板、Q&Aサイトを定点観測すると、消費者がスーパーの店頭で陥る失敗には驚くほど共通したパターンが存在します。青果バイヤーへの取材と一般ユーザーの体験談から、典型的な「罠」を検証します。
大手ネット掲示板に投稿された「奮発して大玉を買ったのに大失敗した」という主婦の告白は象徴的です。
「売り場で一番大きくて、お尻のヘソが立派に開いているスイカを選びました。ネットで『ヘソが大きい=完熟の合図』と読んだ記憶があったからです。でも、自宅で包丁を入れた瞬間に中から発酵したようなツンとした匂いがして、種周りは黄色く溶けてドロドロ。とても食べられる状態ではありませんでした」
青果担当のベテランバイヤーは、この失敗を次のように解説します。
「大玉スイカにおいて、ヘソが1円玉サイズ以上に広がっているものは、畑で完熟期を過ぎて過熟状態(いわゆる煮えスイカ)になっている危険性が跳ね上がります。特に昨今の夏の異常高温下では、畑に1日長く置かれただけで果肉の発酵が進んでしまう。売り場で『大きくて安く、ヘソが巨大な玉』を見かけても、飛びつくのは非常に危険です」
また、スイカの表面にある「黄色いシミ(地肌の変色痕)」を病気や傷みだと勘違いして敬遠する消費者が後を絶ちません。しかし現場の評価は正反対です。この黄色い部分は、畑の土の上に直接置かれて太陽光が当たらなかった「尻敷き」の跡に過ぎません。むしろ「黄色みが濃く、ややオレンジがかっている個体」は、畑の中で長期間じっくりと熟成された証拠であり、糖度が極めて高い穴場商品であることが多々あります。