年齢を重ねても、菅原文太の鋭い感性と声の魅力は衰えなかった。2001年に公開された宮崎駿監督のアニメーション映画『千と千尋の神隠し』では、ボイラー室を仕切る6本腕の老爺「釜爺(かまじい)」の声優を担当。低く響く味わい深い声と、主人公・千尋を温かく見守る慈愛に満ちた演技は、国内外で絶賛された。
晩年は山梨県で有機農業に勤しみ、社会問題にも積極的に発言するなど、表現者としてだけでなく一人の人間としても孤高の生き様を貫いた。邦画界および芸能界に残したその足跡は、今なお後進の表現者たちに計り知れない影響を与え続けている。