浴室の床や壁の目地に現れるピンク色のぬめりは、通称として「赤カビ」と呼ばれていますが、菌類の分類上はカビ(糸状菌)ではありません。その正体は、ロドトルラ(Rhodotorula)と呼ばれる赤色酵母の一種です。
一般的な黒カビが菌糸を建材の奥深くまで伸ばしてゆっくり成長するのに対し、酵母菌であるロドトルラは驚異的な繁殖スピードを誇ります。水分と皮脂汚れ、石鹸カスが存在する環境下では、わずか約48時間で目に見えるコロニー(ピンク色のぬめり)を形成します。スポンジで軽くこすっただけでは目に見えない微細な菌体が現場に残り、水分を得て瞬く間に再増殖を果たすのが、掃除してもすぐに復活する最大のメカニズムです。