実写の世界にとどまらず、二次元のカルチャーにおいてもこの記号は劇的な進化を遂げている。特に日本のアニメーション産業とキャラクターデザインの現場において、「つり目タレ眉」は強烈なフックとして機能する。
集英社の連載陣を見渡しても、あるいは世界的なヒットを記録してNetflixなどの配信プラットフォームを沸かせる話題作においても、この造形を持つキャラクターは常にファンの心を掴んで離さない。たとえば『チェンソーマン』のように、混沌とした世界観の中で個性を際立たせる作品群では、どこか狂気を孕んだ視線と、気の抜けたような眉のラインが同居する人物が圧倒的なカルト的人気を博す。
かつてのアニメ表現では、つり目は「勝気」「ツンデレ」、タレ眉は「気弱」「おっとり」というステレオタイプな役割分担がなされていた。しかし現在では、その境界を軽々と飛び越え、本心が読めない不気味さや、内に秘めた激しい情念を視覚的に伝えるための高度な演出装置として重宝されているのだ。