総選挙の熱狂を支えたのは、CDショップやオンラインストアを埋め尽くした熱心なファンたちの実弾(購入資金)でした。オリコンチャートの歴代記録を次々と塗り替えた投票券封入シングルは、発売週だけで150万枚〜250万枚以上を出荷。秋葉原や全国のCDショップでは、台車を使って段ボール箱ごと「劇場盤」や「通常盤」を運び出すファンの姿が風物詩となりました。
コミュニティ内部では、単に個人が購入するだけでなく、推しメンを上位に押し上げるための「選挙対策委員会(通称:選対)」が組織されました。ネット掲示板やSNS上で綿密な情報交換が行われ、以下のような集票メカニズムが機能していたことが知られています。
- 資金のプールと共同購入:有志が数百万円規模の資金を募り、卸売ルートやCDショップでの一括購入を差配。
- シリアルコード入力の分業化:CDを開封して投票シリアルナンバーを回収し、PCやスマホでひたすら打ち込む「入力合宿」が全国の会議室やカラオケ店で実施。
- モバイル会員票の巡回回収:1端末月額300円台で1票を行使できる公式ファンクラブやキャリア決済を活用し、家族や知人の端末を借り受けて投票。
- 中華砲(海外ファンの組織力):特に指原莉乃、渡辺麻友、宮脇咲良などの陣営では、中国をはじめとするアジア圏の富裕層ファンが数百〜数千万円規模の資金を投入し、終盤の開票結果を左右する決定打となった。
現場を取材していた音楽ライターの証言によると、「投票期間中のファンの生活は過酷を極め、睡眠時間を削ってCDのフィルムを剥き、腱鞘炎になりながら数万桁のコードを打ち込み続ける姿は、娯楽の域を超えた信仰やプロジェクト業務のようだった」と振り返られています。