インターネット上の掲示板やSNSでは「スカルプをしたら自爪がペラペラになった」「爪が呼吸できなくなって痛む」という悲痛な声が散見されます。しかし、爪甲は死んだ細胞(ケラチン)で構成されており、そもそも呼吸はしていません。現場のネイリスト取材によると、自爪がダメージを負う主因はスカルプの素材そのものではなく、不適切なオフと爪の浮き(リフト)を放置することにあります。
アクリル樹脂は爪と強力に密着するため、無理やり手で引き剥がすと、自爪の表面にある背爪(トップレイヤー)まで一緒に剥ぎ取ってしまいます。これが「自爪が極端に薄くなり痛む」最大のメカニズムです。オフの際は、目の粗いファイルで表面を削った後、純アセトンを浸したコットンとアルミホイルでしっかり密閉し、15分〜20分かけて完全にふやかしてから優しく除去する必要があります。
さらに警戒すべきは、爪の根元が浮いて隙間に水分が入り込む「リフト」現象です。湿気が溜まった状態が続くと、常在菌である緑膿菌が増殖して爪が緑色に変色する「グリーンネイル」を引き起こす危険性があります。浮きを感じたら放置せず、速やかにサロンで直すか、近年サロンで定着しているフィルイン(ベース一層残し技術)を活用し、自爪へのサンディング回数を最小限に抑える対策が推奨されます。