B型作業所の給料はなぜ安い?平均月収と時給の実態・手取りを徹底検証

B型作業所の給料はなぜ安い?平均月収と時給の実態・手取りを徹底検証

B型作業所の給料はなぜ安い?平均月収と時給の実態・手取りを徹底検証の詳細について、専門知識を詳しくお届けします。

「B型作業所の工賃だけで一人暮らしはできるのか?」という疑問を抱く方がいますが、結論から申し上げれば、工賃単体での自立生活は不可能です。月額1万数千円では、家賃どころか水道光熱費すら賄えません。ここにある最大の誤解は、「B型作業所を主要な生活原資と捉えてしまうこと」にあります。

制度設計上、B型作業所の利用者は「障害基礎年金」または「生活保護」の受給を前提として生活基盤を構築しています。具体的な生活設計のモデルケースを見てみましょう。

例えば、重度の精神障害や知的障害があり障害基礎年金1級を受給している場合、2026年度ベースで月額約8万6,000円強(2級の場合は約6万9,000円前後)が支給されます。ここに障害年金生活者支援給付金(月額約5,000円台)が加算され、さらにB型作業所の工賃が月1万5,000円上乗せされると、月全体の総収入はおよそ9万円〜10万円台前半となります。

親と同居している「実家暮らし」であれば、この収入規模でも十分に生活を維持し、多少の貯金を残すことが可能です。しかし、単身で賃貸住宅に暮らす場合、家賃補助(特定障害者特別給付費など)を活用しても家計は極めてタイトになります。そのため、一人暮らしの利用者の多くは、福祉事務所と相談の上で生活保護を受給しながらB型作業所に通所し、工賃の一部を「勤労控除」として手元に残すという制度的防衛策を選択しています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。