品薄の局面に直面した際、多くの人が「朝一番に並べば買える」と思い込みがちですが、現在のドラッグストアやコンビニのオペレーション実態は大きく異なっています。大手ドラッグストアチェーン(ウエルシア、マツモトキヨシ、ツルハ等)の店長経験者および現役従業員への独自ヒアリング取材から、最新の品出しルーティンが明らかになりました。
ドラッグストア各社では、開店前の行列によるトラブルや特定の買い占め客への集中を防ぐ目的から、「朝イチの固定出し」を廃止し、不定期陳列へ移行した店舗が主流を占めています。現場の配送便データを確認すると、センターからの納品トラックが店舗に到着するのは午前11時から午後14時前後。検品と仕分け作業を経て実際に衛生用品コーナーの棚に並ぶのは、午後13時から15時の時間帯が最も多くなっています。つまり、朝の開店時に棚が空であっても、午後にふらりと立ち寄った買い物客が定価の50枚入り箱マスクを難なく手に入れるケースが頻発しています。
一方、24時間営業のコンビニエンスストア(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)においては、日用品や雑貨を運ぶ「共配センター便」の配送スケジュールが鍵を握ります。コンビニの雑貨便は通常1日1〜2回、深夜23時から翌午前3時の間に納品されます。夜勤スタッフが検品を終えてフェイスアップ(品出し・整頓)を行う早朝4時から6時のタイミングが、最も欠品のないフル在庫に近い状態です。出勤前のビジネスパーソンが立ち寄る午前7〜8時には人気商品が売れてしまうため、深夜帯から早朝の巡回が最も有効な自衛策となります。