耳鼻科で膿栓を取ってくれないのはなぜ?医師が断る理由と安全な対処法

耳鼻科で膿栓を取ってくれないのはなぜ?医師が断る理由と安全な対処法

耳鼻科で膿栓を取ってくれないのはなぜ?医師が断る理由と安全な対処法についての疑問解決ガイドをご紹介します。

多くの受診者が抱く最大の誤解は、「一度できた膿栓は、誰かが取り除かない限り喉に残り続ける」という思い込みです。しかし、人体の解剖生理学的な観点から言えば、膿栓は本来、時間の経過とともに勝手に自然に取れる構造になっています。

扁桃腺の陰窩内部には、新陳代謝に伴って古い細胞を外部へと押し出す微弱な自浄作用(排泄機構)が備わっています。さらに人間は、1日に約1,000回から2,000回もの嚥下(飲み込み運動)を行っています。食事の際入ってくる食塊との摩擦、水分補給、さらには会話や咳、大きなくしゃみをした際の喉の筋肉の急激な伸縮によって、成熟した膿栓はポロリと陰窩から外れ落ちます。

「喉から外れた膿栓を飲み込んでしまったら体に毒ではないか」と不安視する声もありますが、医学的には全く問題ありません。膿栓の構成成分は免疫細胞の死骸と口腔内の常在菌、タンパク質であり、誤って胃に飲み込まれてもpH1〜2という強酸性の胃酸によって一瞬で殺菌・分解され、無害化されます。気付かないうちに胃へ流れて排出されているケースが大多数であり、喉の奥に見えている白い粒は、単に「自然脱落する直前の段階」を目撃しているに過ぎません。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。