テレビのワイドショーやネットニュースをたびたび騒がせる「麻生節」。高齢者問題、ジェンダー、外交安保をめぐる歯に衣着せぬ発言は、しばしば「舌禍事件」「失言」として切り取られます。しかし、政治記者の証言や現場の記録を精査すると、麻生氏の発言の真相には異なる側面が浮かび上がってきます。
ある自民党閣僚経験者は、オフレコ取材で次のように述べています。
「麻生さんの言葉遣いは荒削りに見えて、相手の反応を試す『アドバルーン』であることが多い。あえて摩擦を生む表現を使うことで、水面下で進む議論を一気に白日の下に晒し、党内外の反対派を沈黙させる計算が働いている」
たとえば外交・安全保障に関する強硬な発言も、対話路線を重視する首相に代わって「強い日本」の姿勢を相手国に意識させる意図的な役割分担であることが少なくありません。メディアが短く切り取ったフレーズだけを見ると単なる暴言に映るものの、演説全体の文脈を追うと極めて現実的な国際情勢認識に基づいているケースが多々あります。感情的な失言と戦略的な挑発の境界線を巧みに行き来することこそ、麻生政治の真骨頂と言えます。