海外の制度と比較したとき、日本の医療制度の特異性と優位性が最も際立ちます。国民皆保険制度海外比較を行うと、主要国がそれぞれ異なる哲学と痛みを抱えて制度を運用している実態が分かります。
医療費世界比較の観点では、米国のGDP比医療費支出が約17〜18%という突出した高水準にあるのに対し、日本は約11%前後に収まっています。アメリカでは虫垂炎の手術で数百万円の請求が届くケースも存在しますが、日本には「高額療養費制度」があり、どんなに高額な先進手術や抗がん剤治療でも月々の自己負担には上限が設けられています。
しかし、この手厚いセーフティネットと「患者が好きな病院を選べるフリーアクセス」は、裏を返せば医療資源の非効率な消費や、軽症患者による大病院の外来逼迫を招く温床にもなってきました。超高齢社会を迎えた今、制度の持続可能性をどう担保するかが問われています。