1992年、施行された暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)は、日本の裏社会にとってまさに青天の霹靂であった。従来の刑法では摘発が困難であった「みかじめ料」の要求や民事介入暴力に対し、行政処分と刑事罰の双方から直接的な規制をかける画期的な法体系の構築である。
指定暴力団という法的枠組みが設けられたことで、組織の集会や資金獲得活動は未曾有の制限を受けることとなった。警察庁の捜査体制は従来の現場レベルの摘発から、トップの使用者責任を追及する金融捜査・最高幹部狙いの構造へと劇的にシフト。国家権力が本格的に裏社会の財政基盤を兵糧攻めにする時代の幕開けであった。