日中はそれほど気にならないのに、布団に入った途端に咳が止まらなくなり、睡眠不足に陥るケースは少なくありません。夜間に咳が悪化する理由には、人体の生理現象と就寝環境に起因する明確な要因があります。
就寝中はリラックスを司る副交感神経が優位になります。副交感神経の働きによって気管支を取り巻く筋肉が収縮し、気道の内腔が自然と狭くなります。健康な人であれば問題ありませんが、アレルギーや炎症で過敏になっている気道にとっては、空気の通り道が制限されることで激しい咳受容体の刺激に繋がります。
さらに、就寝時は敷布団やマットレスに潜むダニの死骸・フンを至近距離で吸い込みやすいこと、エアコンの冷気が喉を直撃して気道攣縮(れんしゅく)を起こすこと、横臥位(仰向け)になることで胃酸が逆流しやすくなり気道を刺激すること(胃食道逆流症の合併)などが複合的に作用します。
以下の咳喘息の症状チェックリストで、自身の状態を確認してみましょう。
- 発熱や喉の激しい痛みはないのに、乾いた咳(空咳)が3週間以上続いている
- 夜間から明け方にかけて咳の発作で目が覚める
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音(喘鳴)や息苦しさはない
- 冷たい空気の吸入、煙草の煙、エアコンの風、電話での会話が引き金で咳き込む
- 市販の総合感冒薬や一般的な咳止めシロップを飲んでもほとんど効果がない
- アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎の既往歴がある
上記項目のうち3つ以上に該当する場合、咳喘息を発症している可能性が濃厚です。咳喘息を適切な治療を受けずに放置すると、約30%が本格的な気管支喘息へ移行するという臨床データが示されています。早期に気道の炎症を抑える治療を開始することが肝要です。