劇場版の興行とドラマ性を語る上で欠かせないのが、作品の緊張感を極限まで高める「黒ずくめの組織」と、スタイリッシュな華を添える「怪盗キッド」の存在です。
黒ずくめの組織が本格的に関与する劇場版は、作品ごとの緊張感が段違いです。組織の影が忍び寄る第5作『天国へのカウントダウン』を皮切りに、変装の達人アイリッシュが暗躍した第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』、オッドアイの記憶喪失の女性・キュラソーをめぐる第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』、そしてピンガの登場と灰原の拉致を描いた第26作『黒鉄の魚影』へと続きます。組織が登場する映画は常にコナン側の正体発覚の危機をはらんでおり、一瞬の隙も許されない緊迫したサスペンスが最大の魅力です。
一方、月下の奇術師・怪盗キッドが登場する作品は、エンタメ性の極致を味わえます。劇場版初登場となった第3作『世紀末の魔術師』から、巨大旅客機の着陸に挑んだ第8作『銀翼の奇術師(マジシャン)』、シンガポールを舞台に京極真と激突した第23作『紺青の拳(フィスト)』、そして函館を舞台に日本刀の謎を追った第27作『100万ドルの五稜星』まで、どれも圧倒的なスケール感と華麗なアクションが際立ちます。特に『100万ドルの五稜星』では、キッドとコナンの知られざる血縁関係という特大の伏線が解禁され、ファンに凄まじい衝撃を与えました。