Q1:『日本書紀』には「八紘一宇」という四字熟語がそのまま載っているのですか?
A1:載っていません。『日本書紀』にあるのは「掩八紘而爲宇(八紘をおほひて宇とせむ)」という漢文の訓読句です。「八紘一宇」という四字熟語に凝縮して定着させたのは、明治から大正期にかけて活動した日蓮主義の宗教家・田中智学であり、1903年(明治36年)に生み出された近代の造語です。
Q2:なぜ政治家や公人がこの言葉を使うと猛烈な批判を浴びるのですか?
A2:1940年の近衛内閣「基本国策要綱」において大東亜共栄圏建設の国是とされ、太平洋戦争下で軍国主義とアジア侵略を正当化する最高峰のスローガンとして使われた歴史があるためです。被害を受けた近隣諸国や歴史学者からは軍国主義の象徴と見なされており、公人が使うと日本の戦争責任や反省を反故にするメッセージと受け取られるためです。
Q3:宮崎県にある「平和の塔(八紘之基柱)」は現在どうなっていますか?
A3:宮崎市の平和台公園に現在も現存しています。戦後にGHQの指示で「八紘一宇」の文字が削られ「平和の塔」と改称されましたが、1964年に文字が復元されました。外地の占領地などから集められた石材が礎石に使われていることなどから、近代日本の歴史的遺構として現在も保存と展示のあり方を巡る議論が続いています。