小五郎の射撃におけるもう一つの大きな特徴は、決して犯人の命を奪おうとしない点だ。彼の放つ弾丸は、常に犯人の急所を避け、拳銃を弾き飛ばすか、あるいは足元を射抜いて行動を不能にするために使われる。
刑事時代の小五郎は、銃器を行使する際に「犯人を逮捕し、法の下で裁きを受けさせる」という警察官としての理念を頑なに守り続けていた。相手を殺傷するためではなく、事態を鎮圧し命を救うための道具として銃を扱う。そのブレない美学があるからこそ、彼の射撃には無駄な力みがなく、完璧な精度が保たれるのだ。
劇場版第9作『水平線上の陰謀(ストラテジー)』でも見られたように、彼が真面目モードに入った際の圧倒的な洞察力と格闘術、そして射撃技術の融合は、追いつめられた犯人に逃げ道を与えない圧巻の説得力を持つ。