シングル発売の約2か月後、1978年6月1日にリリースされた4枚目のソロアルバム『ゴールドラッシュ』にも本楽曲は収録されました。アルバム全体の骨太なロックナンバー群の中で、『時間よ止まれ』は独特の清涼感とアダルトな陰影を放ち、作品の芸術的完成度を決定づけています。
音楽理論の観点から見ても、本作の完成度は群を抜いています。楽曲の主軸となるのは、テンションを巧みに取り入れたギターのコードワークです。イントロから響くメジャーセブンスコード(FM7やEm7、Am7など)の甘美な響きが、夏の終わりのような気だるさと刹那のロマンティシズムを演出します。
歪んだエレキギターを前面に押し出す従来のスタイルをあえて抑え、アコースティックギターのカッティングとアンビエントなエフェクト処理を優先したアレンジは、2026年代以降に世界的なブームとなった「ジャパニーズ・シティポップ」の先駆けとしても国内外の音楽マニアから再評価されています。