公表されたさくらももこさんの死因は乳がんでした。享年53歳というあまりにも早すぎる旅立ちでした。関係者の証言によると、病が発覚したのは逝去から遡ること約10年前、40代半ばの頃だったとされています。
さくらももこさんの闘病生活の経緯を振り返ると、その過酷さと対照的な創作への執念が浮かび上がります。乳がんは早期発見であれば生存率が高いとされる一方で、進行や転移のリスクを常に伴います。彼女はおよそ10年間にわたり、入退院や過酷な治療を繰り返しながらも、周囲に一切の弱音を漏らさず仕事を継続していました。病魔と対峙していた時期にも、新聞連載や雑誌エッセイ、さらにはアニメ『ちびまる子ちゃん』の脚本執筆を通常通りこなしていたのです。
自著や過去の手記において、さくらさんは自身の健康法や身体の不調についてユーモアを交えて語る場面がありました。しかし、がんという決定的な病名だけは決して活字にすることはありませんでした。晩年には病状の悪化に伴い体力の低下が進んでいたものの、亡くなる直前までペンを握り、構想を周囲に伝えていたと伝えられています。ファンに悲愴感を一切感じさせず、日常のささやかな幸せと笑いを描き切った生き様は、まさに稀代の表現者でした。